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-----ヒマラヤ水晶とは何か?現地派スパイキーのヒマラヤ水晶解説その2-----

いまや天然石や水晶パワーストーンを語るにおいて欠かせなくなったヒマラヤ水晶。 実はその歴史は浅く、様々な解説がなされるようになったのは最近の話です。 ヒマラヤ水晶の圧倒的外観の迫力と内部世界の美しさ、ヒマラヤの高地からやってきているという神秘性、一時期は非常に手に入れるのが困難だったという希少性、そしてマーケット自体の不透明性と交錯する情報から、「ヒマラヤ水晶を語れる人(業者)は凄い!」という風潮が出来上がったのではないでしょうか。

それから数年、今は市場は落ち着きを取り戻し、ヒマラヤ水晶というものは天然石・水晶の世界において定着したのではないでしょうか。 当スパイキーネパールはブーム以前の2000年からヒマラヤ水晶ペンダントの加工を開始し、ほんの少しはヒマラヤ水晶という市場の牽引に貢献できたのではないかと思っております。 そんなスパイキーの解説は現地密着型!情報は徹底的に現地から、そして経験から来ているものです。 独自の解説でもございますので、他者さま他店さまと異なる場合、又は誤りもあるかと思いますが、ご了承下さいませ。 

みなさま、今後ともヒマラヤ水晶、そしてヒマラヤからの天然石とその市場を見守って下さいますよう宜しくお願い致します。(2008年11月現在)
※解説その1はヒマラヤ水晶1の入り口にございます。

カット加工する

今でこそ様々にカット加工を施したヒマラヤ水晶も当然のこととなりましたが、ヒマラヤ水晶を大規模にカット加工できるようになったのはここ数年なのです。 もちろんそれまでも小規模な施設や個人的な機材程度はありましたが、カット工房にインドから技師を呼び、機材を入れたのは2004年頃からだったと思います。 当スパイキーネパールではいち早くカット加工に取り組み、現地へ多くのデザインを持ち込みました。 涙型や平涙型、勾玉、水晶リングなどは初期にスパイキーが型を持っていったものです。 ゴム紐を通す為のビーズ穴の大きさなどは、よく指導したものです。 かつてはカット工房がカトマンズに一つだったので、みながそこでカット加工を行いました。 その為、デザインは他現地業者通じて出回りました。 もちろんオリジナルというほどの形ではないものですが、当店が先駆してきたことを少し知っていただければ幸いです。 しかしデザイン工房から業者やエージェントを通じて多くのデザインが回ってきますので、スパイキーでもどちら様かが型を残していったものを使うこともございます(もちろん著作権といえるようなオリジナルデザインではなく、一般的な形です) 現在ではカット工房は3-4つに増えたと聞きます。 また、新しい機械の導入や技術の向上により、かつてに比べると仕上がりの良さは格段に上がったのではないかと思います。 例えば、表面研磨技術の向上により照りや輝きは一段と強くなったように思えます。 また、今後は鉱物関連業者の組合指導のもと、カット加工研修なども行われる予定となっており技術者や工房は増えるかもしれません。

そんなヒマラヤ水晶のカットですが、綺麗で輝きのあるものを削りだすためには一級の水晶を使わなければなりません。 ヒマラヤ水晶は加工しても独特の軟質な照りが残ります。 表面がテカテカなのではなく内部からの美しさが光ります。 また、ヒマラヤ水晶特有ですが、透明なのに黄色みやピンクみを帯びたほんのり有色に見えるのも特徴です(この特徴は主にガネーシュ産) しかし水晶原石自体が違えば、仕上がりも変わってきます。 毎回水晶の質も違うため、数量を注文した後もどの程度のものが出来上がるかは出来上がってからのお楽しみとなる部分もございます。 また、カット工房ではひとつひとつ手で削っている為、大きさや形状も各々若干違います。 ビーズ珠などは、よくみると正確な○で無かったりします。 それは手削りならではの味とご愛嬌という事でご理解下さいませ。  

透明のヒマラヤ水晶に関してですが、既存のものをヒマラヤンかどうか見分けるのは至難の技といえます。 現地でもヒマラヤ水晶と称してインド産の水晶やが売られております。 それらは主に水晶バジュラやブッタヘッド、クリスタルボールや大きな丸玉など、大きなものです。 これらは照りや輝きが弱く、白んでいる水晶が多いうえ、やはりグラム辺りの単価もかなり安いです。 しかし技術力が高く、素晴しい細工を施しているものも多いのでわざわざヒマラヤ水晶と称さなくても充分に売れるものなのにな、と思ってしまうものです。 判別が一番難しいのは既存のビーズ珠でしょう。 上記の通り、照りや色み、削り方などでヒマラヤンと判別できるものもありますが、削る原石によってまちまちですので一概には言えません。 現地でも透明玉やスモーキー玉には多くの「自称ヒマラヤン」が出回っております。 最近ではパサル(実店舗)のほうに「ヒマラヤ水晶を買った」といってブレスレットなどを持ってきて下さるお客様もいらっしゃいますが、実際のところある程度は判断がつきますが、100%確実なことはいえません。 緑泥玉やドラバイト球などはわかりやすいので、怪しいものは少ないと思います。 今後「自称」の怪しい物が出る可能性のあるものはローズクオーツ珠やアクアマリン、アメジスト珠などでしょう。 これらは世界の他の産地のものとも見た目に差異はほとんどありません。

ということでカット加工もの(特に透明)は信用のおけるところで手に入れたいものですね。

ネパールにおけるヒマラヤ水晶

神秘的イメージの先行するネパール、そして神聖なるイメージのあるヒマラヤ水晶ですが、現地ではどのように扱われているのか?という質問を受けることがあります。 あくまでスパイキーの見解ですが、現地人とヒマラヤ水晶についてのお話です。 

ネパールでもダイヤモンドやルビー、金といった貴石などはアクセサリーとして好まれます。 しかしこれはあくまで現金価値のあるもの、ステータス的な意味合いが強いといえるでしょう。 パワーストーンとして身につけているわけではありません。 水晶に対してもある種の特別な扱い、というものは一般レベルではあまり無いといえそうです。 「パワーがあるんでしょ」という概念はあるようですが、それだからといって身につけたり、ワークを行ったりという事は稀です。 もともとパワーストーンという言葉は和製英語でして、パワーが先行して天然石のマーケットが育っているのは日本にのみ起こっている特殊な状況といえます。 もちろん現地でも水晶ヒーリングや瞑想用として活用している例もございます。 しかしその場合も水晶の形状やパワーによって使い分けることはあまり無く、ひとつ置いておけば(所持しておけば)事足ると考えているようです。 

むしろ一昔前のパシュミナ(カシミア)ブームのように商売としてとらえられているケースが多いのが現状、というのも知っていただきたい事実です。 現地での参入業者や輸出業者、採掘の村人の人数は劇的に増えました。 もちろんこれに関してはネパール人であれ、我々であれ同じなのかもしれませんが…。 一大産地であるガネーシュ周辺の村々では昨今のヒマラヤ水晶やヒマラヤ系天然石のブームにより、村人の生活が一変したようです。 「村人はヤギを追うのをやめて土を掘り始めた」という皮肉が囁かれるほどです。 また度重なる採掘作業により土砂崩れを起こしている地域もあるようで、環境破壊というレベルには至りませんが、若干の新たな懸念要素も出てきています。 

今後の動向:現地編

3年ほど前の見解で、「今後はガネーシュからの緑泥入り水晶だけでなく、様々な産地から水晶や天然石が出てくるのではないか」と書きましたが、近年で予想通りになったと思います。 ここ数年で鉱山は一気に拡大し、たくさんの水晶や天然石がカトマンズに届くようになりました。 閉鎖されていたり、細々としか採掘が行われていなかった鉱山も再開したり、採掘規模が大きくなったりしたようです。 その為ヒマラヤ水晶やヒマラヤの天然石の販路は爆発的に広がり、現地のネパール人も日本人もそれに従事する人数が増えました。  また、以前の「今後の動向」において、毛沢東主義者ゲリラの活動が活発化しており、遠方からの運送が困難になりつつあるという記事を書きました。 2008年11月現在において、毛沢東主義者の闘争は終了しており、彼らは現在政権を握っております。 ゲリラ活動はなくなりましたが、掌握している山岳地域では相変わらず天然石運搬に関わる賄賂の横行があるようです。

現地におけるヒマラヤ水晶やその他鉱物の価格は高騰を続けてきましたが、ここ数年が頭打ちではないかとスパイキーは考えております。 すでに充分に高いグラム辺りの単価ですが、市場原理に釣り合わない高騰というのはもう起こらないのではないかと思います。 現地においても村人の急激な増加や供給業者の参入により、水晶の飽和状態は如実になってきており、人気に陰りがみえるようです(日本の市場の場合、陰りではなく、人気の定着と安定といえると思いますが…) しかし質の良いものや希少な天然石については、以前以上に手に入りにくくなっております。 メルマガにおいて「よいものはほとんどがストックだ」という話をしましたが、ストックは尽きつつあるということです。 新たに産出したものはより高額になる可能性がございます。 また、水晶においてもその他の鉱物においても、やはり業者は良いものがほしいので、良いものからなくなります。 以前のように一部のものはスパイキーが真っ先に良いものを狙えるという状況ではないかもしれません。

最近一番危惧されることは、物価の高騰による値上がりです。 近年のガソリン価格の上昇は恐ろしいほどであり、発展途上国であるネパールではその影響は多大なものです。 ガソリン価格が上がるとすべての生活物資の価格が上がります。 例えば影響を受けるのは銀細工の地銀価格や金価格、そして加工料などの人件費です。 それらの価格は4-5年前と比べると倍近くにまで跳ね上がっているものもあります。 水晶の価格も、人気による価値以上の値上がりではなく、物価上昇によるものだったら充分にありえるのではないかと思います。

プラスの事柄としましては前章で記述の通り、ネパールの鉱物業者組合の活動が活発化し、小さなミネラルショーや展示会を開催したり、若手や技術者育成の為の講義を行うようになりました。 今後はよりプロフェッショナルな人材が増えるのではないでしょうか。

今後の動向と価格:日本編

日本においては、上記の通りヒマラヤ水晶の人気の定着化と安定化が進んでいると思います。 今では拡大した販路によって天然石屋さんやパワーストーン屋さんで普通にヒマラヤ水晶を見かけるようになりましたが、最近ヒマラヤ水晶を知った方は、数年前までいち早いマニアさん達が探し回って手に入れていたという事実を知らないと思います。 今後は水晶といえばヒマラヤ水晶、と認知度は上がっていくと思われます。 現地においては、上記のとおり物価の高騰による値上がりは懸念されますが、日本の市場においては値段はこの程度で納まると思います。 需要>供給だった時代は過ぎ去り、現在の市場は供給>需要だからです。 

ヒマラヤ水晶のみならず、天然石・パワーストーン価格というのは各店に委ねられる部分が大きいので、クオリティーはさておき、高いところから安いところもあると思います。 しかし全体的に値上がりすることはないでしょう(我々業者にとっては仕入値が上がっても小売値は上げられないという厳しい状況になるかもしれません)  当店も昔は安いお店の部類でしたが、気が付けば安いお店様も多くなり、平均より少し高いくらいになったかもしれません。 しかし、お値段の中にはこれら情報や経験、ペンダント作りのこだわりや想いも篭っていると考えて頂ければ幸いです。 お値段は自信と仕事への誇りの対価だと思っております。

エピローグ:スパイキーネパールとヒマラヤ水晶

気が付けばもう8-9年になるでしょう、一日たりともヒマラヤ水晶のペンダントが私の胸元に光っていない日はありません。 人生のいかなる場面においても、嬉しいときも悲しいときも、ヒマラヤ水晶と共にありました。 1999年、最初に偶然ネパールで出会った衝撃から時は流れ、今では私の仕事となり、人生となりました。  私がマヤを感じてならないネパールという国、ネパールの人々。 だからこそ、ヒマラヤ水晶がそのネパールのヒマラヤ山中で採れるという奇跡を体現できるのは当店だけだと思っております。 今更ながらに、ヒマラヤ水晶そのものはもちろんですが、ヒマラヤ水晶を取り巻く環境(市場や関連する人々など)すべてをが好きなことに気が付きました。 そして共感して下さるお客様に出会えたことが何よりの財産であり、みなさまにネパールからの水晶や商品をご紹介できることを非常に嬉しく思います。 感謝の気持ちを込めて、2008年11月記述更新。

これら記述はすべてスパイキーが長年の経験と現地の調査に基づいたものであり、著作権は当店に属します。 無断使用無断複製はご遠慮下さい。 

ご一読頂き有難うございました。 序章解説はヒマラヤ水晶1の入り口にございます。


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